国際広報官 張超英

国際広報官 張超英
台北・宮前町九十番地を出て

張超英 語り

四六判 308ページ 上製
定価:2,000円+税
ISBN978-4-944235-41-4 C0023
在庫あり
書店発売日:2008年05月28日

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版元ドットコムアマゾンビーケーワンセブンアンドワイ紀伊国屋BookWeb

内容紹介

本書は華語圏のベストセラー『宮前町九十番地』(台北、時報出版)の日本語版である。著者は日本統治下の、そして植民地からの「解放」後の台湾、戦後の香港、東京などで育った。その後、台湾政府の広報官となり、多くの歴史的にも重要な出来事に遭遇し、持ち前の行動力で、台湾を広く国際社会、とりわけ日本に知らしめる。それは台湾への架け橋をつなぐ友好事業のようでもあり、まるで情報戦のようでもある。稀有な経験に裏打ちされた著者の証言は、自らの人生をいかに切り開いていくかという示唆に富んだものになっており、また日本社会、東アジアの近現代史の一面を映し出している。

前書きなど

「宮前町九十番地」は私の実家の旧住所で、それは現在の台北市中山北路にある台湾セメント新大楼(ビル)の向かい側に位置し、敷地が一千坪余りあった。この場所は台湾の近代史上二つの特別な意義を有している。
 日本統治時代、私の父親、張月澄(別名張秀哲)は旧円で一円という象徴的な値段で自宅を中華民国駐台湾領事館に貸した。彼の本意は「自宅の屋根の上に中華民国の国旗が翻る」のもまた楽しからずや、というものだった。台湾人は日本統治下で二等国民であり、抑え切れないほどの不満を心中持っていた。したがって「祖国」の国旗が自宅に翻るのを見られるなら、それは一種のうさ晴らしであったことは免れない。
 祖父は当時、台湾炭鉱界の資産家であった。表面上は親日だが、私的には父の決定に反対しなかった。
 …父は学生時代(一九二〇年代)、台湾にいる祖父の無制限とも言える経済的支援を頼りに反日運動に力を注ぎ、広州で「広東台湾革命青年団」を組織するとともに、『台湾先鋒』を出版、中国革命が「台湾を忘れるなかれ」と鼓吹した。…皮肉なのは「二・二八事件」後、父も一般の台湾知識人と同様に国民党に逮捕され、死刑寸前に救出されたものの、父の夢が粉々に打ち砕かれたことだ。
…私がひたすら考えたことは、つまりは自由・民主・人権に基づき台湾人の尊厳と地位を高めねばならないということである。私の人生は日本統治時代、権威主義時代、李登輝時代、および現在の本土化(台湾土着化)時代という道程を経験した。各段階において、不自由・非民主・不正義に反対するため、いろいろと異なる火花を散らしたのも、この理念に執着したためだった。私の人生の各段階において、ある人は私を「漢奸」(中国の裏切り者)と呼び、ある人は私を「台奸」(台湾の裏切りもの)と呼んだ。またある人は私を「宋派」(宋楚瑜・親民党主席支持派)と片づけ、さらには私を「大金を使うだけのお坊ちゃん」と決めつけた。こうした指摘や呼び方に対し、私はいつも一笑に付し、心にかけたことは一度もなかった。(まえがきより)

版元から一言

◎ここがポイント
・華語圏のベストセラー『宮前町九十番地』(台北、時報出版)を、著者と交流のあったジャーナリストたちが翻訳
・台湾政府広報官の伝記でありながら、日台米の間で起こり、広報官として自ら関わった歴史的事件の内幕も語られてゆく
・豊富な訳註が付けられており、日台米の近現代史、政治事情について十分に理解することができる

◎こんな人にお薦め
・日・台・米を主とした海外事情に関心が高い人
・広報の業務に興味のある人
・日台関係に関心の高い人

告知板


張超英氏を偲ぶ会、日本語版を世に問う

 5月28日午後、東京の日本記者クラブで昨年ニューヨークで逝去した前台北駐日代表処新聞組長の張超英氏を偲ぶ会が行われ、マスコミ、学術界など各界の著名人が駆けつけた。

 張氏は駐日代表処新聞組長を二期、十年務め、『台湾をもっと知ってほしい日本の友へ』(中央公論社)を日本で出版し、昨年は台湾でも『宮前町九十番地』(時報出版公司)を出版した。

 その日本語版である『国際広報官 張超英』(まどか出版)も偲ぶ会にあわせて刊行された。

 張氏の夫人、顔千鶴氏は「日本でこんなにも多くの人が張氏を懐かしんでくれてとても感激しています。超英は生前、毎日、朝早く出て行ってしまい、帰りもとても遅かったのですが、今、やはり超英は私の側にいてくれるのだとわかりました。この一年、超英が逝ってしまったたことが信じられませんでした」と話した。

〈台湾、『自由時報』5月29日付〉

張超英さんを偲ぶ東京の夕べ

遺作『宮前町九十番地』の日本語版(『国際広報官 張超英』)刊行を機に

       張超英さんを偲ぶ東京の夕べ

 故・張超英さんは台湾の駐日台北経済文化代表処で新聞広報の責任者でした。二期十年に亘った八面六臂の活躍ぶりは、皆さんご承知の通りです。台湾情勢ばかりか、その世界情勢の分析は秀逸でファンも多かった。
 歳月の流れは早く、張超英さんが急逝されて一年以上になります。
 NYと台北では直後に葬儀、追悼会が行われ、日本でも昨年四月に関係者が未亡人の来日に合わせてささやかな追悼会を催しました。
 氏は生前、渾身の力作『台湾をもっと知ってほしい日本の友へ』(中央公論社)を世に問われ、一同相集ってホテルオークラで記念の会を催したことを昨日のように思い出します。
 このたび、結果的に遺作となった『宮前町九十番地』(邦訳題名は『国際広報官 張超英』、まどか出版刊)は、台湾ではロングセラー入りしておりますが、日本語訳の刊行が決まり、有志が翻訳チーム(坂井臣之助河添恵子、田輝、濱本良一、日暮高則。解説=宮崎正弘)を組んで、このほど出版にこぎ着けました。
 五月末に夫人の顔千鶴女史が来日されますので、日本語訳刊行と合わせて、張超英氏を偲ぶ会を“超党派”で催したく、謹んで御案内申し上げます。
 ご光臨いただければ幸いです。 

          記
 とき   五月二十八日(水曜日) 午後六時(五時半開場)
 

 ところ  日比谷 日本記者クラブ 十階   http://www.jnpc.or.jp/section1/shisetsu.html

 会費   おひとり 一万円(書籍代金を含みます)
 発起人 井尻秀憲、一力一夫、氏家斉一郎、歌川令三、江口克彦、許世楷、黄文雄 小島章伸、ジェラルド・カーティス、杉野直道、住田良能、田久保忠衛 田村志津枝、ドナルド・キーン、永井美智子、中嶋嶺雄、中村彰彦、野村進 船橋洋一、堀江瑠璃子、宮崎正弘、吉田信行、林建良
      
事務局 113―0022 東京都文京区千駄木5―19―5  まどか出版 (担当 梶山憲一)            
電話 (03)5814―9292 FAX (03)5814―9293 

 交友関係の名簿が不揃いにつき、ご友人などにお知らせいただければ幸いです。なにしろ故人は「住所録」をパソコンに入れたまま旅立たれたので鍵が開きません。
 出席をご希望の方は、電話でもFAXでも或いはメールでも結構です。

 メールは  幹事 梶山憲一(まどか出版) kajiyama@madokabooks.com です

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