消えた父を探して台湾二二八の真実

台湾二二八の真実
消えた父を探して 孤寂煎熬四十五年

阮 美朱

四六判 256 上製
定価:2,000+税
ISBN978-4-944235-28-5(4-944235-28-3) C0022
在庫あり
書店発売日:2006年02月03日

内容紹介

娘は、消えた父の行方を追った…。
1947年、死者2万人以上を出したという台湾の「二二八事件」のさなか、新聞「台湾新生報」総経理(社長)の阮朝日が5人の男に拉致され、そして虐殺された。
その娘・阮美朱は父の失踪、そして謎めいた壮大な事件の真相を追う。
本書は——日本の戦後とも通底する台湾・戦後史の迫真のドキュメントである。

前書きなど

◎本文抜粋
 2月27日の夜、私たち二人は中山堂へ映画を観に行った。映画は、大戦さなかのフランス領モロッコを舞台とした、あの『カサブランカ』だった。
 結婚したばかりの私と夫が並んで、この映画を観ている時間——『カサブランカ』に出た来るハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンに見とれているとき、台北の街ではたいへんなことが起きていた。

 当時、台湾ではヤミ煙草が出回っていた。煙草と酒の専売局は、その対策にやっきになっていた。
 その日も、ヤミ煙草の売人たちがいるとの通報を受けて、専売局の調査官六名が出動した。調査官とはいっても、銃を携帯した鋭い眼光のたくましい男たちである。
 彼ら調査官が向かった先は、台北市内の南京西路にある喫茶店・天馬茶房付近であった。延平北路との交差点に近いあたりである。が、彼らが現場に着いたときには、売人たちの姿はすでになく、逃げ遅れたようなかっこうで、煙草売りの女性が一人いたのみだった。林江邁という名の四十歳になる女性で、夫に先立たれ生計のためにヤミ煙草を売っていたのだ。
 調査官らは、林江邁が持っていた煙草と現金をすべて没収しようとした。煙草には、ヤミのものだけでなく、専売局の正規のものもあったというのに。
 林江邁は必死の思いで訴えた。
「そんな! 没収なんてされたら生活できません。お金は全部あげますから、専売局の煙草は返してください。お願いです!」
 林江邁は調査官の一人にしがみついている。そんなやりとりの周りを、いつしか大勢が取り囲んでいた。先にも述べた怨念を胸にした民衆が集まってきたのだ。
 林江邁は取り合ってくれない調査官にますます強くしがみつく。
「おい、煙草を返してやれよ」
「何してるんだ、おい!」
 人びとが調査官に向かって、怒りをこめて叫ぶ。
 と、調査官は力づくで彼女を引き剥がそうとし、ままならぬとなると、持っていた銃で彼女の頭を殴りつけた。その頭から、鮮血が飛び出した。

版元から一言

◎ここがポイント
1.台湾二二八事件の真相を知ることは、台湾と中国との関係のみならず、今日の日本をとりまく国際環境を深く理解することにつながる。
2.著者が長年にわたって行ってきた事件の調査に関しては、台湾内での評価も高く、調査の信憑性も高い。著者がそうした二二八事件のエキスパートであるからこそ、李登輝前総統も序文を寄せたのである。
3.本文は、著者の経験に沿って記され、また、原著『孤寂煎熬四十五年』を日本人に向けて再編集して翻訳出版しており、事件の真相を、感覚的にも、論理的にもわかりやすいくふうがなされている。

◎こんな人にお薦め
・日本をめぐる国際環境に関心がある人。
・台湾および中国など、アジアに関心がある人。
・近・現代史に関心がある人。

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